蚕霊供養塔(照光寺)

~製糸発展のために犠牲になった蚕の霊を慰める~

蚕霊供養塔が建立されたのは昭和9年です。この当時の岡谷地方は、世界不況のあおりを受け、製糸工場は休業・倒産するところが多くありました。人々は職を失い、路頭に迷う者も出るなど、経済の咲紀域にも心を痛める状態でした。

こうした折、製糸業関係者は製糸発展のために犠牲になった蚕の霊を慰め、蚕神を祀り蚕糸業の発展を祈念するため、蚕霊供養塔建立を思い立ち、各界に呼びかけました。諏訪製糸研究会会長小口善重ほか18名が発起人として選ばれ、建設費を人々の寄付に頼りました。その結果3万人にも及ぶ人々からの浄財を得て建立の運びとなりました。

建立地は製糸家の多くが檀家でもあった照光寺境内と定め、昭和9年7月28日着工、11月15日竣工しました。総工費は5千円(当時)であったといいます。

供養塔は総ヒノキ造りで、銅板葺きの二重塔、基壇積石14尺四方、高さ5尺の美濃石を使い、堂塔建築様式の組物である三手先(屋根を支え軒を飾る3段の木組み)とし、緩やかな勾配、古風な宝輪・水煙共に優美です。

本尊は馬鳴菩薩で、木造総高1尺5寸7分。美濃石の基礎の下には寄付帳(工女の名前や5銭、10銭、等の金額も記載)、建設の経緯を記録した資料、当時の新聞や雑誌などを収めた瓶が埋められていました。

この後蚕霊供養塔奉賛会を結成、昭和10年4月29日第1回の御開帳を行い、以後毎年法要厳修の蚕糸祭を行っています。

住所
岡谷市本町2-6-43