旧山上宮坂製糸所事務所・工場棟・再繰工場棟・居宅

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明治時代の日本の製糸工場のほとんどは小・中規模工場でした。いくつかの工場が集まって結社をくみ、共同で繭の仕入れや生糸の出荷を行うことで発展していきました。

山上宮坂製糸所もまたそのような結社のひとつでした。明治7年にざぐり製糸として創業して以来、大正~昭和の製糸全盛期、さらに戦後の復興期まで、岡谷の中規模工場として長きにわたり製糸業発展を支えてきました。

最盛期の昭和初期には、年間約28,000kgの生糸を生産していました。近隣から購入して広げた約10,000平方メートルの敷地に、繭倉6棟、工場、従業員寄宿舎、講堂ほか病棟や浴場など約30の施設が立ち並び、300人を超える従業員が働いていました。

諏訪式繰糸の母体を作った製糸結社の流れと営みを今に伝える全国でも数少ない貴重な遺産です。事務所に加えて、繰糸工場、再繰工場、検査所、屑糸倉庫など生産現場となった一連の工場体系がほぼ残されています。

事務所は、間口6間(約11m)、奥行5間、木造2階建、寄棟造、スレート葺の建物です。外観は研ぎ出しのモルタル塗りで、窓は上げ下げ窓としており、大正・昭和初期の様式をよく示しています。1階には受付・事務所・和室があり、2階には広間と洋間があります。居宅は明治26~27年に建てられました。

外観のみ見学可。

住所
岡谷市加茂町3丁目2